伝統

 隣のおばさん・・とは、そう仲がよかったわけではない。どうしても隣・・ってのは知らなくていいことまで知ったりして、いろいろ問題が出る・・。

 たとえば、庭木の枝だとか、うちの草が隣の庭に侵入したとか・・まぁ、、小さなことがほとんどなんだけど。

 しかし、ここんとこ、あちらも自分の健康を考えると、遠くの親戚よか隣が大事・・ってやっぱ思うんだろうなぁ・・。

 ちょいちょい話しをする機会があった・・。そうだ、組長の引継ぎとかもあったしね・・。

 で、発見したのは隣のおばさんは和裁ができる・・・ということだ

 もう、「え〜〜!!」と驚きだった。

 今、生きてたら100歳越える父方のばぁちゃんは、機織の出来る人だった・・。

 で、生糸をきれいに染めて、織るにしたがって模様が出てくる・・。

 そりゃぁ・・もう・・・夢のような話だったのだ・・私にとってだけど・・。

 で、そのあと、ちくちく着物を縫う・・。

 私だって、縫おうと思えば「浴衣」くらいなら縫える・・。

 しかし、袷(あわせ・・・裏つき)になったら、もうお手上げだ・・。

 しかも手縫いだ・・・。

 それと、ビーズを編みこんだ小さいバッグも作っていた。

 ネットのオークションで似たようなのを見かけると思わず、「ウォッチ・リスト」に入れてしまう。

 私は編み物とかもするのだが、長女はまったく興味を示さなかった・・。

 しかし、次女は小学校の一年のころ、妙に編み物に興味を示した・・・。

 今は、まったく関心がなさ気だが、私より川下にいる娘たちに伝統みたいなものを・・もう伝えるスベはないだろうなぁ・・。

 きれいな「絞り」とか、「つまみ細工」の「かんざし」とか、夜中に見たら怖いだろうと思うアンティーク・ドールたちと違い、ぜ〜〜ったい怖くないと思える文化人形とか・・・。


 もう、私くらいの年代が「好き」と言える、最後の日本人かもしれないなぁ・・・。