午前十一時に約束通り、神田さん親子は来てくださいました。しかし、メールがコーちゃんに届いていなくて、それでも、30分遅れで、始められた。

 この姉妹のおねぇちゃんは、ホント頭のいいお嬢ちゃんだった。勘がいいというか、こちらの言いたいことを、すぐ察知できる。たいしたもんだ。
 妹の方も、とても甘えっ子みたいだけど、おねぇちゃんとも仲良しで、家族関係がうまく行ってる・・ってことなんだろうな。

 パパはテノール歌手。このお嬢ちゃんたちは、パパに厳しいらしい。しかし、お見受けするところ、お嬢ちゃんたちにやり込められるのを、パパは喜んで?おられる風だった。

 男も女も、年をとってくると、性格が顔に出る。安藤コーちゃんも、神田パパも、表情は、温和。しかし、苦労がないと温和にはなれん。
 いい年こいて、顔に剣があるのは,修行が足りんのかもしれん。それとも、処理しきれん苦労だったか・・。


 録音が終わって、少しコーちゃんと雑談した。ありがたかったのは、彼なりに、力を注いでくれていることだ。
 今回の葛城さんのCDは、出来も含めて、人の耳に触れることが多くなる可能性がある。録音、アレンジ、演奏、ミックス、マスタリング・・・すべて彼の独壇場なんだ。

 彼が評価されるチャンスでもある。私は個人的にだけど、葛城さんにも、もっともっと活躍して欲しいし、コーちゃんみたいなタイプが、くすぶっているのも口惜しい。また、うちの龍治君にも、もっとライトが当たって欲しい。
 そんな、諸々が、認知されるキッカケにもなって欲しいと思っている。

 確かに、大阪みたいに独自の路線で、東京に対抗できる素地はない。しかし、名古屋だからといって、何も卑下したり、見下される覚えもない。

 何事にも、例外はある。

 しかし、雑談で、二人共通の認識があった。それは、日本にこだわっていない・・ということだ。
 日本の「はやり」とか、傾向に、重きを置いていない。

 コーちゃんは、中学の時からハコ(プロとして店とかで演奏していた)を、やっていた。

 ウイングスのギターが亡くなったとき、本気でイギリスへオーディションを受けに行こうとしたらしい。
 しかし、お兄ちゃんが家出をした。「お袋を、ほっとけない」・・と、いうんで、断念したらしいよ。で、25才の時に、今のスタジオを建てた。

 彼は「門あさ美」と仲良しだった。で、彼女を、シンガー・ソング・ライターにしょうとしたのは、当時名古屋のヤマハで、ポプコンの責任者だった、川口さん(名東区にある”バード”のオーナー)で、川口さんから依頼されて、コーちゃんが、彼女に曲を作らせるようにもっていってたらしい。

 噂では、「あさ美」ちゃんのお兄ちゃんが景三バンドのギターだかベースだかで、お兄ちゃんが、曲を作っているとも言われてた。

 その真偽は知らないけど、川口さんの目論見は当たった。

 コーちゃんは、私の中では、「あさ美ちゃんとデュエットしてた男の子」だった。ほぼ、同じような環境で、似た場所にいたんだけど、この年になるまで、しっかり話したことは、なかったんだ。

 そうそう、三天翔の「ふるさとはアジア」の中で張さんが弾いている、馬頭琴や四胡も、そのままオケに取り込まれている。

 張さんも、もっと評価されていいと思う。

 絶対的な力や、金がなくても、皆で協力しあえば、ある程度のことは、不可能せはないという前例を作りたいと思っている。

 ぜひ、協力を、お願いします。