作詞

 ポプコンとかに曲を応募してたころは、そんなにたくさん曲を作ってるわけでもないから、ネタに困るとか、そんなことはなくて、作りたいから作っていた・・。

  しかし、作家修行をしていた頃、は、一週間に詞と曲を何曲か作る・・。

 作りたくなくても作るわけで、・・・しかも、「これはダメ」って言われても、本人にその理由がよくわからん場合、それは地獄・・・に近いもんがあった・・・。

 「キミの歌詞は絵日記みたいだから、ちょっと詳しいヤツに預ける」・・って・・・私たちみたいな作家軍団?をまとめるお仕事のお兄さんに言われ、新しい・・・そうだなぁ・・・師匠みたいな人のところに曲を持っていく・・。

 ここで、「よし!」という合格点が出ない限り、私の曲は外に出さない・・って言われたし・・・。

 何回出しても合格点は出んの・・。

 で、ある日、「すみません、○○さんが、いいと思う楽曲を何曲か聞かせてもらえませんか?」とお願いしてみた・・。

 で、いっぱい参考音源のつまったカセットは聞いたことないモノばっかで、私が「すごい!」と思った曲は一曲もなかったんだ・・。

  ま、感性が違っていた以外のナニモノでもないんだけど、まだ小娘だったし、「私には才能がないんだ」と思いつめてもいた・・。



 そういうときに、何度か作詞の本を読み返したものだ・・。

 いちばん何度も読んだのは「阿久 悠」氏のものだった・・。


 

 読むたびに、本人はどうしていいかわかってないんだから、もう、何度も泣いたね・・。


 私は、この「阿久 悠」氏と「なかにし 礼」氏に関しては、尊敬の念をず〜〜っと抱いているのだ・・。


 「お酒は ぬるめの燗がいい   肴は あぶったイカでいい」・・って、聞いたとたん、「ガビ〜〜ン!」だった・・。


 「あかん!  ぜ〜〜〜ったい勝てんわ」



 東京にいると、上野駅は特別・・ってことがよくわかる.


 上野は北への出入り口なのだ・・。

 そこ発の「夜行列車」っていったら、それだけで、イメージはできる・・・。

 すげぇ〜〜なぁ・・と思う・・。

 訃報に接して、図らずもいろいろ思い出した・・・。


 

 売れてる作詞家さんのなかには言語明瞭意味不明な方もけっこうおられた・・と思うね・・。

  最終的には自分の感性を信じるしかないんだけど。

 

 東京に拠点を変えて、作家修行に入る前、東京にデモ・テープをもって、よく出版社とか行ったな・・。


 はからずしも、もって行ったオリジナルとそっくりのタイトルが、ある・・。

 私のオリジナルは題を変えるかしんと使い物にはならんのだけど・・・「もしもピアノが弾けたなら」と「ピアノが弾けたなら」、「毎日がバレンタイン」と「毎日がバレンタイン・デー」・・・

  お蔵入りして久しいこれらの曲も、いっぺん外に出してみるかな・・・と思う・・・。


 それにしても・・・死ぬの早すぎ!


 もう、一冊くらい「ノウ・ハウ」本を出してほしかったな・・。


 今なら、もっと深く理解できたかもしれんもん・・・。


 阿久 悠・・の、バッカぁ・・・・